[うつ病とはどんなもの?治療法は?]


■うつ病とは?

うつ病は、落ち込んだ状態から回復することが出来ず、長期に渡って無気力や憂鬱感が続き、日常生活に支障をきたしてしまう病気です。
気持ちの問題では?と思われることもありますが、 うつ病は、ストレスなどにより脳内の神経 伝達物質である、 セロトニンやノルアドレナリンの働きが悪くなって起こると考えられています。

「気分が落ち込んで面白いことや楽しいことがなくなった」
「疲れているわけではないのに体がだるく、とにかく何もしたくない気分」
「常に眠りが浅く疲れが取れず、仕事や勉強に集中できない」
「食欲がわかない、何を食べたらよいのか考えられない」

など、精神的・身体的な症状が長く続く場合、うつ病の疑いがあります。
しかし、それが治療を必要とする病気なのか、休養を取ればまた元気になる一時的なものかは 自分自身で判断することは難しいとされています。

多くの人は、まず精神的な症状よりも身体的な症状に悩み、内科などを受診します。
それでも一向によくならない場合はご相談ください。
うつ病に限らず、どんな病気でも「早期発見・早期治療」が基本です。おかしいかな?と思ったらためらわずに受診しましょう。

■うつ病の主な特徴

よく見られる症状として、主に以下のようなことが挙げられます。
1) 気分が沈んでいる(抑うつ気分)
「ゆううつだ」「将来に何の望みもない」「落ち込んでいる」「悲しい」など、思い悩んでいる状態です。
本人の言葉や表情、憔悴した雰囲気が見られるので、周囲の人が気づく場合があります。
こうした症状は午前中にひどいことが多く、午後から夕方にかけては症状が軽くなることがあります。
2) 食欲の変化、体重の増減
うつ病では食欲が低下が多くみられます。
しかし「何か食べないといけない」という思いから、無理やり食べていることもあります。
また反対に、甘い物ばかり欲しがったり、過食にはしる人も見られます。
3) 眠れない、眠りが浅く夜中に何度も目覚める
不眠もうつ病の症状として多くあげられます。寝付きが悪くなり、夜中や早朝に目が覚め、十分に休養がとれません。
特に、起きるつもりではない早朝に目が覚め、そのあと眠れないことが頻繁にあります(早朝覚醒)。 体が休まらないのですぐに起き上がることもできず、ベッドからなかなか出られません。
人によっては反対に、夜の睡眠が極端に長い、あるいは日中も寝てばかりで昼夜逆転してしまう症状を起こす場合もあります。
いずれにせよ、規則正しい食事と睡眠ができなくなり、動くためのエネルギーがどんどん低下してしまいます。
4) 集中力がない、物事を決められなくなる
注意力が散漫になり、集中力が低下します。仕事や勉強、家事が思うように進まなかったり、できなくなったりします。
集中できないため仕事で小さなミスが重なってしまい、落ち込んでしまいます。
また、決断力も低下します。少しのことでも考え込んでしまうため、何も決められなくなることがあります。
例えば、「夕食の買い物にスーパーへ出かけたが、何を買うか悩み、結局何も買えずに帰宅してしまって夕食の準備ができない」というようなことです。
いずれにせよ、「何もできない」と悲観的になってしまい、責任感から会社を辞めてしまったり離婚を考えたりしてしまうため、回りの配慮も不可欠です。
5) 強い罪責感を抱く
特に理由もなく過剰に自分を責めたり、誰も気にとめていないような些細なことを思い出してはくよくよ悩んでしまうことがあります。
また、必要のないことまで自分の責任のように感じてしまい、「自分は要らない人間だ」と強く思うようになったりします。
6) 物事への興味や喜びを感じなくなる
これまで楽しかったはずの物事に対し、関心や欲求が著しく低下します。
「何をしても面白く感じない」「人と話すのがおっくう」「毎朝読んでいた新聞を読む気になれない」「ドラマや映画を見ても感動しない、見る気になれない」など、 周りから見ると、まるで人が変わってしまったようになります。
何かをしようという気が起きず、次第に自分の世界に引きこもるようになってしまいます。
7) 動作や話し方が遅くなったり早くなったりする
周囲からはっきり見て分かるくらいに、体の動きが遅くなったり、口数が減り、声も小さくなったりします。
日常的な動作にさえ時間がかかってしまい、本人は何とかしようと焦るものの上手くいかず、たいへん苦しんでいることが多いのです。
また反対に、強く不安を感じるためにじっとしていられず、落ち着きなく体を動かすようなこともあります(焦燥感)。
表面的には元気に見えてしまうので、周囲はうつ病だと気付きにくいことがあります。
8) この世から消えてしまいたいと思うようになる(自殺願望)
生きていることがつらく、死んでしまった方がましだと考えてしまう症状です。うつ病で最も気をつけなければならない症状です。
一般的に、気分が沈みきって何もする気力がない状態では、自殺をする気力もありません。
しかし、少し症状が良くななり体を動かせるようになると、死にたいという感情が湧けばすぐに実行に移してしまおうとするのです。
うつ病の治療の経過では、死んでしまいたいという気持ちが繰り返し患者さんの気持ちの中に湧いてきます。
自殺したい気持ちが非常に強いときは、入院して経過を観察することもあります。

■ うつ病が発症する原因

うつ病は、患者さんの気持ちの問題ではなく、脳の働きが低下したために症状を引き起こす病気です。 脳の機能はまだ解明されていないことが多く、あらゆる精神疾患において、発症のメカニズムも十分に分かっていません。
うつ病は女性に多いといわれていますが、これは女性ホルモンの増加・妊娠・出産など、 女性に特有の危険因子や男女の社会的役割の格差などが関わっているのではないかといわれています。
また、平均初発年齢は20-30歳の間に高頻度にみられます。