総合失調症について [症状やお薬での治療について]



総合失調症は特別な病気ではありません。

統合失調症はおよそ100人に1人の割合でかかると言われている病気で、決して珍しい病気ではありません。この病気は、脳の機能障害によるもので、現実を正しく判断する能力が妨げられたり、感情のコントロール がうまく出来なくなったり、適切な対人関係を持つ事が困難になる病気です。
思春期〜青年期に発症するケースがほとんどで、複雑な要因が絡み合って発症します。
かつては「特別な病気」と思われがちでしたが、今日では治療が出来る「脳の病気」であるとされています。 近年、さまざまな治療薬の開発により、この病気の治療は飛躍的に進歩しています。

<発症までの経緯>
日常生活で受けるありふれたストレス
 ↓
生まれながらの素因(ストレスに対する抵抗力や繊細さなど)+身の回りの環境
 ↓  (現在、統合失調症の原因となる遺伝子は7つ発見されています)
脳内の神経伝達物質(ドーパミン等)の異常
 ↓
発症


統合失調症の症状は多彩で、1人の患者さんにすべての症状が出るとは限りません。
個人差がありますが、大きく分けて3つの症状があります。
[陽性症状] (発病してまもない時期(急性期)に多く見られる症状です)
  1. 幻聴。
  2. 思考の混乱。
  3. 被害妄想に陥る。
  4. 感情が不安定。
  5. 奇妙な行動をとる。
[作業能力の低下]
  1. 記憶力の減退。
  2. 融通性の低下。
  3. 作業スピードの遅さ。
  4. 了解の悪さ。
  5. 心身の極端な疲れやすさ。
[陰性症状](通常は陽性症状の後に出現し、その後長期間みられる症状です)
  • 感情表現が乏しくなる。
  • 喜怒哀楽などのの感情反応の低下。
  • 思考能力や注意力、集中力、意欲の低下。
  • 無関心。
  • 言語の貧困化。

基本は薬物療法です。特に症状の激しい急性期にはお薬が大変有効です。急性期を過ぎても、症状をコントロールし、 再発を防ぐために長期にわたって服薬していただくことが大切です。

<回復の経緯 >
症状の期間 主な症状 時間の
経過
前駆期…
発症前に見られる兆候です。
・睡眠障害
・感情の起伏
・焦りの気持ち
・身体的な不定愁訴
・神経症状態


初期





中期







後期





急性期…
本人に病識がないのが特徴で、
幻聴、妄想、思考の混乱などの激しい症状が現れます。
・不安緊迫感
・幻聴
・被害妄想
・滅裂
・興奮
・奇異な行動
回復期…
急性期の精神状態が治療により収まった後の、
疲れきった心身を回復させる為の充電期間です。
・過度の眠気
・意欲低下
・倦怠感
・甘え
慢性期…
急性期の症状が治まった後にも、
病的な症状が持続する時期です。
精神機能全般にわたるエネルギーの
低下が特徴です(特に陰性症状)。
(陽性症状が消失せず長く続くこともあります)
・活動性への低下
・周囲への無関心
・感情の欠如

治療が遅れると、人格の崩壊に至る場合があります。


統合失調症はお薬で治療のできる病気です。 最近では治療薬の進歩により、外来通院でも充分に治療出来るようになりました。
適切な治療を受けていれば、多くの患者さんは社会生活に復帰することが出来ます。 少しでも変化に気づいたら、早めに治療を受けることが大切です。

<ご家族の方へ>
急性期を越えた患者さんは、家でゴロゴロしたり、ひきこもったりする事が多くなりますが、これらは決して怠けているわけではありません。
例えば「寝てばかりいる」のは回復へ向かっている証ですし、「疲れやすくて根気がない」状態は体の中にエネルギーをためているのです。
患者さんの努力やがんばりだけでは克服することが出来ません。変に励ましたり、小言を言ったりすると、過剰なストレスとなって回復が遅れることもあります。
ご家族の方も、患者さんもあせらずにゆっくり治療を続けることが大切です。

 

現在「非定型抗精神病薬」といわれる新しいお薬が開発されています。従来のお薬に比べて副作用が 少なく、陽性症状の改善に加え、従来では改善が難しいとされていた陰性症状にも効果が期待されています。
また服用回数も1日に1回で済むなど、患者さんの負担も軽減されています。当院ではこの最新のお薬での治療を行っています。

[当院では主に以下の治療薬を使用しています]

ジプレキサ 総合失調症・境界性人格障害などの治療薬。
リスパダール 総合失調症などの治療薬。
ルーラン 総合失調症などの治療薬。
セロクエル 総合失調症などの治療薬。
エビリファイ 総合失調症などの治療薬。

 
 


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