くすりのおはなし

■SSRI「パキシル」とはどんなお薬ですか?

パキシルは「セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)」と呼ばれるお薬で、ストレスなどが原因で脳内の神経伝達物質であるセロトニンが減少するのを防ぐお薬です。
セロトニンは、神経細胞内で作られ、神経伝達物質として放出されると同時に、同じ神経細胞に再度取り込まるという性質があり、正常であればこのバランスが保たれているのですが、セロトニンが低下してくるとバランスが崩れ、思考面や感情面で様々な症状を引き起こすとされています。
パキシルは神経伝達をスムーズに行う役目があり、服薬を続けていくことで、神経伝達物質の機能が正常化し、症状が改善されていきます。 (詳細は「神経伝達物質の役割について」もご参照ください)
パキシルが他の抗うつ薬と大きく違うところは、セロトニンにのみ作用することです。従来の薬はうつ病以外にも作用する為、副作用が出る場合が多かったのですが、パキシルは従来に比べ副作用が少なく、服用しやすいお薬です。

■パキシルはどんな症状に効果がありますか?

うつ病、パニック障害、社会不安障害、全般性不安障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、強迫性障害などに効果があります。
これらの症状は、ストレス等によってセロトニンが低下するため、神経伝達のバランスが崩れ、さまざまな症状が現われるとされています。
セロトニンが上昇してくると、意欲が出てきたり、不安が解消されたり、気分が穏やかに安定してきます。

■服用方法について

パキシルは一定の計画のもとに服薬していただくお薬です。

パキシルの副作用


図のように、パキシル10mgという量からスタートし、上限40mgまで、1週間ごとに10mgずつ量を増やしていきます。
症状によって服薬量は調整しますが、量を増やす場合は、徐々にゆっくりと増量していきます。
治療効果は約1ヶ月~1ヶ月半ぐらいで出てきます。
服薬期間は、セロトニンが充分に貯まる期間として、約1年間かかります。
効果が出てきた後も、セロトニンを充分に充電するために、1年間は服薬して頂くことが必要です。
服薬は1日1回で済み、患者さんの負担も軽くなっています。


■副作用ついて

パキシルの副作用として、最も多いのが吐き気や眠気です。
その他、口が渇いたり、めまいや立ちくらみ、便秘、食欲低下などが現われる場合がありますが、お薬に慣れてくると除々になくなってきます。 副作用は個人差があり、ほとんど出ない人もいれば強めに出る人もいますが、いずれも 服薬開始から1~2週間が一番でやすい時期で、それを過ぎると軽減されてきます。

■断薬時の離脱症状について


パキシルを実際止めるときには注意が必要です。
止める際は、徐々に服薬量を減らしていく事が必要で、突然止めてしまうと急激に薬の血中濃度が下がり、反動として離脱症状が必ず出ます。
離脱症状として多いのは、めまい、ふらつき、吐き気、嘔吐、頭痛、不眠、疲労感などがあります。
これらは服薬を再開すると改善されますが、離脱症状を起こさないために、飲み始めたら毎日欠かさず服薬して頂くことが大切です。

断薬時の投与例
(断薬時の投与例)

服薬終了についてですが、症状が完全に回復された時パキシル40mg服薬していた場合、30mgに減らして3ヶ月間、20mgに減らしてして3ヶ月間、10mgに減らして3ヶ月間、というふうに、少しずつ服薬量を減らしていきます。